時を壊した彼女 7月7日は7度ある
2019年12月12日 読書何度、何度、何度くり返しても彼の死だけが変わらない星夜の学校を襲った悲劇と、くり返す夏の日。命がけの青春を、私達は生きている。運命と戦う高校生達のタイムリープ×本格ミステリ☆☆☆7月7日。部活仲間5人のささやかな七夕祭りを、謎の爆発が襲った。その爆発は、部長を激しく吹き飛ばし殺害してしまう。原因は、未来からきた少女2人。彼女らはタイムマシンをハイジャックした挙げ句、爆発させてしまったのだ。部長の理不尽な死をなかったことにすべく、彼らは協力して過去を書き換えようとする。だが、時を繰り返すたび、なぜか犠牲者は増えていってしまい──遡れるのは計7回、無限に思える選択肢。繰り返す青春の1日は、命がけだ。
タイムリープものSF+本格ミステリっていうと、西澤保彦の「7回死んだ男」が真っ先に思い浮かぶけど本作はもちろんそれを意識したらしいことは編集者コメントやサブタイの「7」で窺い知ることができる。
今思えば「7回~」はSF関係の説明は「そういうものはそういうものだから」でサラっと流してミステリに集中させてくれたけど、こっちは例のまほろ節でタイムリープのしくみとか(ミステリとして成立させるための)お約束事を説明してくれるわけで、これは仕方ないとはいえさすがにくどくて冗長だった。
まぁそのぶんループに入ってからの展開や、解決編での伏線解明っぷりは見事というより他無いので、550ページ2段組というボリュームも無駄ではなかったんだなぁと。
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