図書館の魔女(下)
鍛治の里に暮らす少年キリヒトは、師の命により、大陸最古の図書館を統べるマツリカに仕えることになる。古今の書物を繙き、数多の言語を操って策を巡らせるがゆえ、「魔女」と恐れられる彼女は、自分の声をもたないうら若き少女だった。本を愛し、言葉の力を信じるすべての人に!


正直なところ、上巻の前半あたりでは「つまんねーな、退屈だなー」と思っていたりもしたのだけれども。下巻に入って3国の武力衝突を回避するための策を詰めたり、謎の刺客に左腕を封じられたり、交渉でなんやかんや活躍があったり、刺客を追って厳冬の敵根城へ乗り込んだりと飽きさせない展開で大変楽しめた。しかもそれを精緻な文章と豊富な表現で綴ってくれるのだから目が幸福。

刺客を倒した後もまだ結構頁が余っていて冗長な展開が待っているのか?と危ぶんだが、そこからは心に染みる展開が待っている。この部分にこれだけ尺を割いてくれて本当にありがたい。

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