奇っ怪な分身、“生霊”の目撃談が語り継がれる奥多摩の旧家、谷生家。それが現れるとき、当人に死の影が指すと恐れられる謎の現象である。同家を訪れた刀城言耶は、そこで不可解な復員兵の死に遭遇するのだが…。表題作他、全五編を収録した“学生時代の事件簿”と言うべき“刀城言耶”シリーズ第二短編集。
推理で解決はしても、ホラー的な謎は残る...というお約束で読後感がぞわぞわするシリーズの短編集。短編なので怪異譚の薀蓄はほどほどに抑えられており、ある意味残念。
トリック的にはラストの「顔無の如き攫うもの」がエグくて良かった。
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