三松妃沙子。「妃」と綽名される彼女の周りには、いつも若い男たちが集まっていた。自由で貧しくて、少し不幸な彼らとの時間に彼女は、何を求めていたのだろう。願い事を三つだけかなえてくれる猿の手に、何を祈ったのだろう。倫理と論理が奇妙にねじれたような、不可解な二つの事件の背後には、濃くゆらめく彼女の気配があった。臨床犯罪学者・火村英生、罪深くも誇り高い難敵に挑む。
ジェイコブズの「猿の手」を下敷きにしたお話。猿の手というと「するがモンキー」がまず思い浮かぶが、まぁだいたいアレの知識で差し支えないかも。左手だし。
で、作中で実際に起こった事件の解決よりもジェイコブズの短編の新解釈のほうが興味深かったり。よくある。
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