遺書ともとれる手紙を残し、八田洋久博士が失踪した。大学教授だった彼は、引退後も自宅で研究を続けていた。失踪から一年、博士と縁のある者たちが八田家へ集い、島田文子と名乗る女性が、書斎にあったコンピュータから「ψの悲劇」と題された奇妙な小説を発見する。そしてその夜、死が屋敷を訪れた。失われた輪を繋ぐ、Gシリーズ後期三部作、第二幕!
前作「χの悲劇」はクイーンの「Xの悲劇」のトリック(見えない人)を踏まえた上での作品だったわけで、ではこの「ψの悲劇」もやはり「Yの悲劇」の超有名なトリック(犯人がアレ)を踏まえている。いるが、そのひねりっぷりがすばらしい。
本格ミステリであるかのような序盤から中盤は一転SFアクションになり「またχの悲劇と同じ展開かぁ...」とちょっとがっかりしたところでのネタバラシでええっ!?っとなって「ああYの悲劇のオマージュ要素ってこういうことなのね」と納得しかけたところでのラスト。ああやっぱりこっちが本命の「Yの悲劇」要素じゃん...
森博嗣小説で久々に面白かった。
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