「謎はすべて解けました。これは――奇蹟です。」
この傑作を読まずして、今年のミステリは語れない!

かつて、カルト宗教団体が首を斬り落とす集団自殺を行った。
その十数年後、唯一の生き残りの少女は事件の謎を解くために、
青髪の探偵・上苙丞(うえおろじょう)と相棒のフーリンのもとを訪れる。

彼女の中に眠る、不可思議な記憶。
それは、ともに暮らした少年が首を切り落とされながらも、
少女の命を守るため、彼女を抱きかかえ運んだ、というものだった――。
首なし聖人の伝説を彷彿とさせる、その奇跡の正体とは……!?

探偵は、奇蹟がこの世に存在することを証明するため、
すべてのトリックが不成立であることを立証する!!


今年最初の読書は、このいかにもなPNといい表紙といいあらすじといいプンプン香るメフィスト臭さとバカミス風味がいやがおうにも期待を高めてくれるこの1冊。

読んでみるとやはり「毒入りチョコレート事件」風味の多重解決モノで、初期の古野まほろが大好物な自分には心地いい雰囲気。

だが悲しいかな、多重解決というには本作で提示される仮説の数は(具体数は言わんけど)少々物足りない。合間に奇天烈な登場人物たちとの茶番が挿入されるからだけど、そこは本作(というかキャラ萌え小説の側面として)のキモなんで外すわけにはいかない。初期まほろの本がとんでもない分厚さだったのはあれはあれで両取りするために必要だったのね。

とはいえ中々に先が楽しみ...っていうか続編が2016のミステリランキングで軒並み上位だったから本書に興味が沸いたのであって。早いうちに読もう。

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