脱出不能のホテルに蔓延する致死ウィルス。しのびよる殺人鬼に刻々と近づくタイムリミット――絶体絶命の状況に、3人の高校生が挑む

有栖川有栖氏、絶賛! ! 「悪夢のような閉鎖空間と魔術的な推理に 恐怖、興奮、歓喜。」
『天帝のはしたなき果実』で紀伊國屋書店新宿本店のメフィストフェアで堂々第1位。大学読書人大賞で5位を獲得した、奇才のミステリー作家・古野まほろによる、書き下ろしのエンタメミステリー!

東京駅に直結する「東京鉄道ホテル」に宿泊することとなった、勁草館高校3年・吹奏楽部所属の修野まり、峰葉実香、柏木照穂。高校生なのに、ブラックカードを持つ超お金持ちの修野まりのおかげで、宿泊代が特段高い、ホテルに6部屋だけ存在するメゾネットルームに宿泊した彼らは、別のメゾネットルームの宿泊者がすべての孔から血が吹き出して死亡する場面に遭遇。
外へ助けを求めようとした矢先、メゾネットルームは、政府によって隔離されてしまう。
メゾネットのある八角形の孤城の閉じ込められたのは9名(修野まりだけは難を逃れ、外から友達を助けるために闘います)。お忍びで来日していた米国国務長官、引率役の陸軍大将、大会社の女傑社長、ミステリ作家などなど。
みなで、なんとか脱出する術を探している中、今度は殺人事件が発生する。

殺人犯は誰なのか?
致死ウイルスから誰が生き延びられるのか?
誰がここから脱出できるのか?


時系列的には果実と御矢のあいだの話で、まほろんがおらず吹奏楽部3人が遭遇した事件。作者別著「Yの悲劇」の背景となった事件の真相もここで語られるというオマケつき。

まほろんがいないことで過剰なルビやオタネタや「うげらぼあっ!」がなく読みやすいのだが、一抹の物足りなさも。
そしてラストの「読者への挑戦」以降の展開も捻りが足りない。作中で「文学は処女作が最高、音楽は遺作が最高」みたいな趣旨の文章があったけど、御矢・果実レベルの推理合戦はもう望めないのか...

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