ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち

2011年12月7日読書

鎌倉の片隅でひっそりと営業をしている古本屋「ビブリア古書堂」。そこの店主は古本屋のイメージに合わない若くきれいな女性だ。残念なのは、初対面の人間とは口もきけない人見知り。接客業を営む者として心配になる女性だった。だが、古書の知識は並大低ではない。人に対してと真逆に、本には人一倍の情熱を燃やす彼女のもとには、いわくつきの古書が持ち込まれることも、彼女は古書にまつわる謎と秘密を、まるで見てきたかのように解き明かしていく。これは“古書と秘密”の物語。

あらすじを読んだとき「文学少女シリーズみたいな話かな」と思ったのだけれども、「文学」をモチーフにするのと「古書」にまつわる人間模様を描くのは実は全然違うんだな、と読んで気付いた。「文学少女」はそのテーマの文学作品に準えたストーリー展開をするのに対して、「古書」系のミステリは作品内容は程々に、その本個別の古書的価値がストーリー上重要であったり、「本」であることをトリックに用いたりであるとかする。要はソフトウェアに重点を置くか、ハードウェアにフォーカスするかーみたいな。

＊まぁそんなことはともかく感想。
1話目はプロット的にも良く出来てるし、ミステリ的にこれが一番完成度高いんじゃないだろうか。ただし2話3話とミステリ的なレベルは落ちてくる。