ISBN:4044271011 文庫 米澤 穂信 角川書店 2001/10 ¥480
いつのまにか密室になった教室。毎週必ず借り出される本。あるはずの文集をないと言い張る少年。そして『氷菓』という題名の文集に秘められた三十三年前の真実―。何事にも積極的には関わろうとしない“省エネ”少年・折木奉太郎は、なりゆきで入部した古典部の仲間に依頼され、日常に潜む不思議な謎を次々と解き明かしていくことに。さわやかで、ちょっぴりほろ苦い青春ミステリ登場!第五回角川学園小説大賞奨励賞受賞。
うーん、読む順番を間違えたって言うか、似たようなコンセプトの本を連続して読むとどうしても比較しちゃうからなるべく避ける主義なんだよな。

ということでどうしても比較になっちゃうんだけど「文学少女〜」に比べるとキャラにインパクトが無い、まぁ本を喰っちまう少女と比べるほうが間違いなんだけど。

前半の、いわゆる「日常の謎」的な展開も、淡々としている上に謎自体があまり大したものじゃないために、物語の引きとしてはちょっと弱い。
もちろん淡々とした中にも後半部分の伏線が織り込まれていて、後々ボディーブローのように効いてくる。その中でもやはり、タイトルの「氷菓」に込められた意味が判明するラストは、薄ら寒い感覚を覚えた。

...あ、榊原郁恵の某曲なんか全然浮かんじゃいませんよ?
 
 
 
*なんだかあんまり褒めてないし、ミステリ部分が弱い(作中の全ての謎は、近くにいる謎の当事者に聞けば一発回答なものばかり)のは確かなんだけど、青春小説としてはわりといい。7章の奉太郎と里志の自転車での会話なんかが特に。
『きっと十年後、この毎日のことを惜しまない』かぁ、響くなぁ。

コメント

nophoto
ギア
2007年12月15日23:19

ほぼ同じ感想です。キャラが弱い+高校時代の青春小説、というあたり。加えて、自分の感想としては「もう少しラブコメ成分があっても罰(ばち)は当たらないのに」でした。そのあたりは、シリーズ全部読んでる方曰く、3巻で補充されるそうですが未読です。

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