ISBN:4061824775 新書 古野まほろ 講談社 2007/01/12 ¥1,680
90年代初頭の日本帝国。名門勁草館高校で連続する惨劇。子爵令嬢修野まりに託された数列の暗号を解いた奥平が斬首死体となって発見される。報復と解明を誓う古野まほろら吹奏楽部の面子のまえで更なる犠牲者が!本格と幻想とSFが奇跡のように融合した青春ミステリ。第35回メフィスト賞受賞作。

現時点で今年最狂。

まず800ページという京極・清涼院並みの厚さにたじろがされる。

そしてプロローグがいきなり読みづらい...というか意味不明。
マ、ミステリのプロローグが何書いてあるのかわかんないってのは「よくあること」なんで気にせず進む。

...と、初っ端からブラスバンド部のアンサンブル風景。音楽用語だけなら昔取った杵柄で理解できるのだが、出てくる漢字の半分以上に英吉利独逸仏蘭西露西亜語や意訳のルビ振ってあるわ、内容がやたらペダントリックだわ。昔、数ページ読んで挫折した黒死館思い出したわ。あと、いきなりメインキャラ8人も出されても誰が誰だか見分けつかないし。

そんなこんなで1ページ読むのに3分はかかりそうな文章を100ページまで苦労して読んだものの一向に事件の起こる気配が無い。いいかげんタルくなってきたし、同時に何ともィャ〜な予感がしたので(普段は読破するまでしないが)書評BLOGをなるべくネタバレしないように見ていったら、
「最初の殺人まで200ページ」
「ミステリとしての本番は450ページ過ぎてから」
「つーか壮大なる時間の無駄」
という先人たちのありがた〜いご忠告を多数戴いたので
 
 
 
反って読んでやろうという気になった。

*「ルビは無視」「速読のつもりで会話文だけ拾う」という攻略方法を駆使して4章までたどり着き、やっと探偵合戦になった。
このあたりはちょっと虚無とか失楽っぽい。

しかし、ダイイングメッセージがアカン。

他のトリックとか全然わかんなくても、アレ見たら一発で犯人わかるだろうに...ってぐらい直観的だったのでブービートラップかと思ったらこれが正解。

そしてラスト100ページは、あらすじにもあるようにSF...というか伝奇になる。

*まぁしかし、なんだかんだで嫌いじゃないよ。8割の人は序盤で挫折するか、読了後壁に投げつけるだろうけど。
しいて言えば流水大説に近いのかな。もっとも、御大にはまだまだ発想力で及ばないけど。

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