ISBN:4043791038 文庫 森 絵都 角川書店 2006/06 ¥580
坂井知季の通うミズキダイビングクラブ(MDC)は赤字経営による存続の危機に陥っていた。MDCを閉鎖しようとする親会社を説得し、新コーチ・麻木夏陽子が提案したクラブ存続の条件は「次の年のオリンピックにMDCから日本代表選手を送り出す」というものだった。選考会に向けて、知季たちの過酷な練習の日々が始まった。

佐藤多佳子からあさのあつこと来て、森絵都に着水。
スポーツ青春小説としては相当有名らしいっすね、コレ。

マイナースポーツを題材としており、試合の技術描写はそれほど多くないがメンタル描写が秀逸なことで、飛び込みというスポーツをすごくリアルに感じることができた。10Mの飛び込み台の上に立った時の描写で「物理法則的にありえないこととはわかっていても、飛び込んだら25メートル四方のプールの外にはみ出してしまいそうな」って書いてあるトコとか、高さが嫌な感じにリアルに想像できてしまい臍の下がキューって感覚になるし。

主人公は3人いますが、知季がいいですね。飛び込みに打ち込みすぎたあまりに同学年の弟に彼女を取られるとかいう昼メロばりの展開(しかも中2で)とか、そのショックからわずか20ページで復活するトコとかw

あー、下巻を同時に確保しとかなかったことが悔やまれる。

コメント

nophoto
ギア
2007年4月18日0:56

>10Mの飛び込み台の上に立った時の描写

すげー嫌な(的確で素晴らしいという意味で)表現ですな。本当に、胃のあたりにキますね。上下巻で完結+文庫本、と手ごろな響きがいいです。惹かれました。

灰猫
灰猫
2007年4月18日1:37

本日下巻確保。これは良いものですよ。

nophoto
ギア
2007年5月9日22:15

久しぶりに読み始めたが最後、本を手放せずに最後まで読んでしまいました。とはいってもまだ上巻のみですが。いえ、このまま下巻を開いたら、今日の夜、あとは本を読む以外何も出来ずに終わってしまうのが目に見えてるので(笑)

灰猫
灰猫
2007年5月11日0:55

3章まではともかく、4章入ったら止められませんよ多分

nophoto
ギア
2007年5月12日0:02

おっしゃるとおり。朝起きて読み始めたんですが……会社までの通勤時間+始業までの時間、をフルに使って読みきってしまいました。緊張感あふれる話なのに適度なユーモアがあって読みにくさを感じさせない、読後感の爽やかな本でした。

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