ISBN:4062135620 単行本 佐藤 多佳子 講談社 ¥1,470
あさのあつこの『バッテリー』、森絵都の『DIVE!』と並び称される、極上の青春スポーツ小説。 主人公である新二の周りには、2人の天才がいる。サッカー選手の兄・健一と、短距離走者の親友・連だ。新二は兄への複雑な想いからサッカーを諦めるが、連の美しい走りに導かれ、スプリンターの道を歩むことになる。夢は、ひとつ。どこまで…

「王様のブランチ」の松田さんが「2006年ナンバーワン」というのを聞いてから約三ヶ月、ようやく読めた。

その間に136回直木賞候補に選ばれたり(今回は「該当作なし」で直木賞は選出されず)色々有名になっていた。なんだかなー、そういうご大層なお題目付けられると気が引けちゃうけど。


しかし内容は想像以上、期待以上によかった。


何かにひたむきに打ち込んでる少年少女の青春小説を読むと胸が締め付けられるような感覚になるんだけど、それはやっぱり憧憬や懐古の念なんだろう。まぁわりと、そんなに悪くない高校生活を送ったつもりではあるけれど、もっと熱血したかったとか青春したかったとかの思いは少なからずあるわけで。この本における主人公と友人・先輩・先生らとのちょっとした会話や心理描写でそういう思いに強く胸を揺さぶられるのだ。

主人公の一人称語り視点で全編話し言葉だったり、「アシンメトリーなヘア」「ドクロのTシャツ」「BUMPを聞きながら」「合宿の布団の中でDS」など若者風俗にも腐心してる点はいいが、ちょっと取り入れすぎで数年後に読んだときどうなの?と思ったりしたが重箱の隅だろう。

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