麻耶 雄嵩/螢

2006年9月18日 読書
ISBN:434400664X 単行本 麻耶 雄嵩 幻冬舎 2004/08 ¥1,680
梅雨。大学のオカルトスポット探検サークルの六人は、京都府の山間部に佇む黒いレンガ屋敷「ファイアフライ館」へ、今年も肝試しに向かっていた。そこは十年前、作曲家でヴァイオリニストの加賀蛍司が演奏家六人を惨殺した現場だった。事件発生と同じ七月十五日から始まる四日間のサークル合宿。昨年とちがうのは半年前、女子メンバーの一人が、未逮捕の殺人鬼“ジョニー”に無残にも殺され、その動揺をまだ引きずっていたことだった。ふざけあう悪趣味な仲間たち。嵐の山荘で第一の殺人は呪われたように、すぐに起こった―。大胆にして繊細。驚きに驚く、あざやかなトリック!本格ミステリNo.1の傑作『鴉』から7年。鬼才が放つ新たなる野望。

あらすじどおり、「おいおいこれ本当に麻耶雄嵩かよ」ってぐらいベタな『嵐の山荘』モノ。

最初の登場人物紹介や屋敷見取り図と首っ引きで読んでると、中盤に差し掛かるでもなく明らかに不自然な点が出てくる。一つは館モノにつきもののアレで、もう一つは○○トリックのバリエーションだなー、と気付く。

しかしそれだけじゃなく、○○のもうひとつのバリエーションも組み込まれていて、それがこの話のキモ。ちょっと驚いたがあとで会話と地の文を読み返すと...おお、スゲ。2つの○○トリックを同時に行い、なおかつフェアに記載するってのはホネだと思う。

ラストは例によって、最後の1ページだけでカタストロフ。さすが麻耶雄嵩。

でも「夏と冬のソナタ」に比べたらキチガイっぽさ(褒め言葉)が段違いで薄くなってるぞ。どうしたことだ。

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