ISBN:4061824139 新書 浦賀 和宏 講談社 2005/02/08 ¥924
「私には分かるよ。あなたの気持ちが。殺したい奴って、確かにいるもの」
大けがを負い、療養生活をおくっていた松浦純菜(まつうらじゅんな)が2年ぶりに自宅に戻ってくると、親友の貴子が行方不明になっていた。市内では連続女子高生殺人事件が発生。被害者は身体の一部を持ち去られていた!大強運で超不幸な“奇跡の男”八木剛士(やぎたけし)と真相を追ううちに2人の心の闇が少しずつ重なり合う新ミステリ。


貸出期限の3週間で6冊だから大変だ。
 
 
 
*さて、浦賀和宏といえばカニパン(*1)やらハラワタに代表されるグロ描写と、YMOやTMネットワークなどのテクノ系音楽への偏愛描写がウリなんですが今回はそれらは影を潜め、青春小説系のノリです。なんかこのままシリーズ化しそうな勢いですが。

しかしやっぱりそのライトなノリはこの人には合いません。グロはともかく、「記憶の果て」の硬質で読みづらいけど突き刺さるような文体が心地よかっただけにちょっと今回は期待外れ。
 
 
 
*余談。

男主人公の少年はガノタでガンプラ作りが趣味のヒトです。「剛士にとってプラモデルとはガンダムのプラモデルのことで、星のマークでおなじみの田宮模型の戦闘機や戦車のプラモなど端から眼中になかった。」とか言ってます。個人的高感度UP。
作中で製作の描写があるのですが、ちゃんと工程はオーソドックスな手順を踏んでいます。作者も多少は作るらしい。
ちなみにこのとき作っていたのはグフ。終わりのほうで男主人公の部屋に女主人公が訪れるんですが、ここで彼女がグフをいじりまわすシーンがあって「げんしけん」のガンプラの回を彷彿とさせます。ていうか作者狙ってグフにしてるとしか思えません。あとこのシーンは「記憶の果て」を読んでるとあのシーンを想起させてアレな期待を煽るのですが見事に裏切られます。以上余談終わり。

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