ISBN:406182404X 新書 上遠野 浩平 講談社 2005/01/14 ¥966
仮面の戦地調停士の過去がついに明かされる!?
上遠野浩平×金子一馬、極上のMYSTERY×FANTASY!
涙。それは誰もが流すもの。たとえ禁じられても、こらえきれず溢れるもの……
魔導戦争の隙間にあるその非武装地帯には、見せ掛けと偽りの享楽と笑顔の陰でいつも血塗れの陰惨な事件がつきまとう。積み重ねられし数十年の悲劇の果てに訪れた大破局に、大地は裂け、街は震撼し、人々は喪った夢を想う……そしてすべてが終わったはずの廃墟にやってくる仮面の男がもたらす残酷な真実は、過去への鉄槌か、未来への命綱か……?


シリーズ第4弾。

形式としてはいわゆる「連作短編」という感じ。
過去に3つの殺人事件があって、それぞれを1章で解決していく短編集と思わせて最後の章で伏線を回収しつつ残された謎を解明する、という新本格ミステリでは一昔前に流行ったスタイル。

まぁこれは講談社ノベルスだけど新本格推理ではないので、最大の謎のトリックが見も蓋も無いものだったりあからさまに怪しすぎる人物が何のヒネリもなく黒幕だったりはいい。そのヘンは最初ッから期待してないし。

ただキャラ小説としては新キャラの”残酷号”とその仲間がなんか微妙。
次回作のタイトルを見るに今回は顔見世っぽいのですが、どこまで膨らませられるのか。

別の人の感想で「今作は街が主役」というのがあったけど、そういわれるとそうかも、とは思う。
ISBN:4061821350 単行本(ソフトカバー) 上遠野 浩平 講談社 2000/06 ¥987

竜。それは善悪を超越したもの。勇者を十万、軍を千万集めても倒せぬ無敵の存在。その力を頼りに戦乱の講和を目論んだ矢先に、不死身の竜が完全閉鎖状況で刺殺される。戦地調停士EDは謎に挑むために旅立つ。


「事件」シリーズの第4弾が出たのでおさらいのためにシリーズ第1弾を再読。

「ブギー・ポップ」の上遠野浩平と「女神転生」の悪魔絵師・金子一馬のコラボで、発売当初は大変ワクワクした。

金子一馬によるキャラデザインが強烈過ぎてややもするとイマジネーションの妨げになるけど、上遠野の硬質な文体といい意味で鬩ぎ合っていたと思う。ドラゴンのデザインはアレだけど。

内容に関して言えば、主人公一行が世界を旅して回ることにあんまり必然性を感じなかったが、シリーズとしての背景説明も兼ねてるということでまあ仕方ない。

肝心のトリック部分は、ファンタジー(というかこの作品世界)の決め事を絡めたものなので本格ミステリ的にはマイナス。でも全体的に続編を期待させる出来なので、シリーズ1作目としては良いのではないかと。
ISBN:4198613648 単行本 京極 夏彦 徳間書店 2001/06/23 ¥1,890
国による中央集権的なデータ管理が進み、他者との接触のほとんどがモニター上で行われるなど現実と仮想の境界があいまいとなった21世半ば、14〜15歳の少女のみを狙った連続殺人事件が発生した。事件の鍵を握る同級生の足取りを追う14歳の主人公・葉月、謎めいた美少女・歩未(あゆみ)、天才少女・美緒。本作は、妖怪をモチーフとした作品…

ちょっと昔に、ニュース23内の討論を端に起こった「どうして人を殺してはいけないの?」という論争があった。
(参照:ttp://www.google.co.jp/search?sourceid=navclient&hl=ja&ie=UTF-8&rls=GGLD,GGLD:2003-39,GGLD:ja&q=%E3%81%A9%E3%81%86%E3%81%97%E3%81%A6%E4%BA%BA%E3%82%92%E6%AE%BA%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%AF%E3%81%84%E3%81%91%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%AE)

大江健三郎とか村上龍なんかはロクに答えられなかったらしい。

しばらく後でCLAMPが「X」の中でこのテーゼを取り上げた。彼女らの提示した答えは「誰かが悲しむから」。

まぁ正論ではある。当時の自分は鼻で哂った。

で、京極夏彦は本書の中でこのCLAMPのソレを踏まえたのかいないのか「じゃあ死んでも誰も悲しまない人は殺してもいいの?稀代の悪人かなんかで、死んでくれたほうが世の中のためになるような人でも?」とテーゼを投げかける。

京極夏彦の示した答えは、

「法律で定められてるから。」

なんかこれだけだとありきたりな回答に聞こえるが、別に信賞必罰ということではない。もちょっとCOOLな理由。

まぁネタバレになるんで詳しくは約750Pの本書読め。
ISBN:4103145072 単行本 筒井 康隆 新潮社 1978/01 ¥788

新聞のテレビ欄で「富豪刑事」というドラマがやるのを見つけて、これってもしかして筒井康隆のアレ?と思ったらソレでした。

原作は大富豪の刑事が事件解決のために湯水のようにお金を使いまくるお話。コメディのようでミステリとしてもよく出来ています。オススメ。
 
 
 
*さてドラマのほうですが。とりあえず公式↓
http://www.tv-asahi.co.jp/fugoh/

...深キョン主演です。原作だと男ですが。
まーテレ朝は浅田次郎の「プリズンホテル」も主人公の性別変えたしお家芸か。
枠は水9かと思ったら木9なので「はぐれ刑事」とかの路線では無さそう。ていうかスタッフ「TRICK」と結構被ってるぽいです。

 
 
*そして初回視聴。以下見所。

・前半部分は面白い。笑える。
・相手役の若い刑事がデカレッド。
・「5億円事件」の犯人あぶりだしのおとり捜査に、どう見ても5億円以上の経費を使ってる点について。
・深キョンの祖父役の夏八木勲の演技が妖しすぎな点。
・祖父との食事シーンの深キョンの肩だし室内着&谷間。
・キメ台詞は「たかが5億円ぽっちで犯罪に走るなんて...」
・エンディングテーマがミッチーの「愛のメモリー」な点。

結構面白かったっす、筒井好き&推理ヲタだという点を差っ引いても。深キョンも演技アレだけど「浮世離れしたお嬢様だから」と思えばおk。

ただ今回は原作付だからある意味面白くて当たり前だけど、原作短編4話しかないんでオリジナル脚本でどれだけ魅せるか?ですね。とりあえず久しぶりに連ドラを見る気にはなりました。

橋本治/桃尻娘

2005年1月11日 読書
ISBN:4309603718 単行本 橋本 治 河出書房新社 1997/02 ¥2,100
クラスの男子はあたしのことを"モモジリムスメ"だなんていうの、あんまりだと思わない?「昭和の女版『坊っちゃん』」と評されるシティ感覚の大河青春小説『桃尻娘』シリーズ・第一部。

僕の通っていたC高校には「課題図書」なる制度があって、3年間で100冊の古今東西の名作を読ませようとしていた。そんなん国語教師と生協本屋の癒着じゃーん!とか思ってはいたけど、現国の試験で課題図書に関する問題が出される(5択で配点1問3点ぐらい)んで、試験前になると必死で文庫本を読み耽る光景がそこかしこで見られたっけ。

一般にはウケが悪いこの制度だったけど、村上春樹とか齧っていっぱしの文学少年気取ってた僕には、新たな作家と出遭えるチャンスで。中でも筒井康隆の「家族八景」と並んで印象に残った日本の作品がコレだったり。執筆10年全6巻の青春大河小説で、4人の少年少女の群像劇。

橋本治といえば去年はエッセイ「上司は思いつきで物を言う」でベストセラーなヒトですが、昔は普通に小説書いていたんだよ、て話。ちなみに氏は枕草子を現代語訳してそれもベストセラーになったことがあるけど、それのタイトルが「桃尻語訳・枕草子」だったような。
ISBN:4061821474 単行本(ソフトカバー) 古処 誠二 講談社 2000/09 ¥861
東海地震で倒壊したマンションの地下駐車場に閉じ込められた六人の高校生と担任教師。暗闇の中、少年の一人が瓦礫で頭を打たれて死亡する。事故か、それとも殺人か?殺人なら、全く光のない状況で一撃で殺すことがなぜ可能だったのか?周到にくみ上げられた本格推理ならではの熱き感動が読者を打つ傑作。

ついこの間舞城王太郎の直木賞云々を話題にしたと思ったら、もう次の芥川賞・直木賞の候補作が決まってたりします。
ttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050106-00000046-kyodo-ent
芥川賞は白岩玄か山崎ナオコーラで話題取るとして、問題は直木賞。
ガノタ的には福井晴敏なんですが、ミステリ読みとしては古処誠二を推さざるを得ません。

古処誠二は例によって第14回メフィスト賞作家ですが、受賞作と3作目では自衛隊内を舞台にした、ユーモア交じりの軽い文体でありながらテーマは重厚でリアルなミステリを上梓。そしてこの2作目では、終盤でどんでん返しが連続する密室モノに教育問題や地震都市問題をからめ、読んだ後もズシリとクるハードな作品を出しています。個人的に2000年のミステリのベスト。

そんな古処誠二ですが、4作目で太平洋戦争を題材にした「ルール」を出して以降、戦争文学のほうに行っちゃってミステリのほうに戻ってきてくれません。今回候補になった「七月七日」も戦争モノですし。こっちが面白くないかと言われるとそんな事はなくむしろ感動しましたが、でもやっぱミステリの新作が読みたいな、と。

ちなみにこの人は戦後生まれの34歳で、当然戦争経験はありません。そんな人があの時代の話を書くってことで色々言われてるみたいですが、逆に作家のイマジネーションの凄さも感じることが出来ます。

雪密室

2004年12月20日 読書
ISBN:406185111X 文庫 法月 綸太郎 講談社 1992/03 ¥540
誇り高い美女からの招待で信州の山荘に出かけた法月警視だが、招待客が一堂に会したその夜、美女が殺される。建物の周囲は雪一色、そして彼女がいたはずの離れまで、犯人らしい人物の足跡もついていないのだ。この奇怪な密室殺人の謎に法月警視の息子綸太郎が挑戦する。出色本格推理。


久々の長編「生首に聞いてみろ」が「このミステリーがすごい!2004」第1位受賞記念ということで法月綸太郎(通称のりりん)シリーズの1作目。

主人公が作者と同名の推理小説作家で名探偵、その父親が警視庁警視...と、エラリィ・クィーンへのオマージュな設定。内容もロジックに次ぐロジックでクィーン風味。作品としてはこれよりも2作目以降の「誰彼(たそがれ)」「頼子のために」なんかのほうがより緻密で推理が二転三転して面白いんだけど。

てゆーかまだ「生首に聞いてみろ」読んでないし。
ISBN:4061823752 新書 辻村 深月 講談社 2004/06/08 ¥819
第31回メフィスト賞受賞!感動の長編傑作!
ある雪の日、学校に閉じ込められた男女8人の高校生。どうしても開かない玄関の扉、そして他には誰も登校してこない、時が止まった校舎。不可解な現象の謎を追ううちに彼らは2ヵ月前に起きた学園祭での自殺事件を思い出す。しかし8人は死んだ級友(クラスメート)の名前が思い出せない。死んだのは誰!? 誰もが過ぎる青春という一時代をリアルに切なく描いた長編傑作!


上中下三冊読破。

青春ミステリで通すのかと思いきや、最後には「読者への挑戦」めいたモノもあったりして意表を突かれた。でもカタルシスは薄くて、むしろ爽やかな感動(?)

ストーリーだけなら400枚で済む話を三冊に分ける必要はあったのか?という疑問は残るけど中巻読んだら下巻も読みたくなったんでおk。

今後は恩田陸みたいな路線に走るんだろうか。
新書 佐藤 友哉 講談社 2002/08 ¥798
講談社ノベルス創刊20周年記念密室本
メフィスト賞作家特別書き下ろし作品

“密室本”最大の問題作、あるいは傑作。孤島密室!

女子高生・冬子が「本物の衝動」に突き動かされてたどり着いた見知らぬ孤島。
そこで出会った青年から冬子はある男の「監視」を依頼される。
密室状態の岬の小屋に完璧にひきこもり、ノートパソコンに向かって黙々と作業をつづける男。その男の「監視」をひたすら続ける冬子。双眼鏡越しの「見る」×「見られる」関係が逆転するとき、一瞬で世界は崩壊する!
「書く」ことの孤独と不安を描ききった問題作中の問題作。あるいは傑作。


日記タイトルにも使ったし、折角なので紹介しとくね。

著者は佐藤友哉。なんだか俺の身近な人の名前2つを練成したみたいな名前だけど残念ながら「サトウユウヤ」って読むんだ。該当スレでは「ユヤタン」と呼ばれて愛されてるよ。
かの西尾維新とほぼ同時期のメフィスト賞デビュー作家で歳も近く、作風も「登場人物が悉く壊れてる」など共通点もあるけど西尾維新ほどメジャーじゃないんだ。信者は「西尾維新にはイラストの竹さんによるPOPなキャラのおかげでキャッチーだったけどユヤタンはあのとおりリアルでキモイイラストでラノベ層取り込めなかった」とか言うけど、それ以外にも問題はいくらでもあるよね。ここでは言わないけど。

でこの「クリスマス・テロル」だけど、ネタバレしちゃうと最終章は作家・佐藤友哉の文壇批判と断筆宣言っぽいことが書いてあるんだ。そりゃ問題作にもなるよね。

なんだかんだで「鏡家サーガ」の続編期待してるんで、続きを書いて欲しいんだけどさ。
ISBN:4061823892 新書 綾辻 行人 講談社 2004/09/10 ¥1,575

今度は一週間かけて読みましたサ。

叙述トリックについては、ほぼ予想通り。
○○を錯誤させてるんだなってのはわかりやすい。

最後らへん、不思議現象をすべて
「この館ならば何でもあり」みたいに片付けたのがちょっとアレだったけど。

暗黒館の殺人 (上)

2004年11月29日 読書
ISBN:4061823884 新書 綾辻 行人 講談社 2004/09/10 ¥1,575

図書館で6冊借りて、気が付いたら貸し出し期限の3週間は明日。
思いのほか忙しかったりで残りの5冊は何とか読めたけど、これが残った。あと1日。

予約いっぱい入ってる本なんで、延長できないんよ。

仕方が無いので超速読駆使して、約650ページをお店で3時間あまりで読破。ぶっちゃけ会話文しか読んでネェ。

...なんか叙述トリックの匂いがプンプン。

下巻も確保してあるんで読も。
ISBN:4861220505 単行本 琥色 雄一 ソフトマジック 2004/11/30 ¥1,365


...いや、まっさかamazonで取扱ってねーだろーとレビュー検索してみたら見事にあって、呆れたあまり...

だから買ってけれ>ともちー
ISBN:4061833715 文庫 島田 荘司 講談社 1987/07 ¥750

何だか知らないうちにメル氏と「サトPINを文学青年にしてやろうプロジェクトX」が発動していたようで、なんかオススメの本紹介しなきゃな〜なんですが。
う〜ん、自分マトモに純文学読んでたのって高校生ぐらいまでで以降は”ヒトが死にまくる小説(byカイセ)”専門なんだよね。今更「ライ麦」とか「アルジャーノン」薦めたってそんなんとっくに読んでるよね?
 
 
 
*というわけで”新本格ミステリ”という新ジャンル・ムーヴメントを起こした古典的名作、新本格推理のバイブル、ついでに自分をミステリ読みに固定してしまった1冊を紹介。

あらすじ
『占星術殺人事件』は、画家・梅沢平吉の独白で幕を開ける。自らを悪魔憑きと信じる梅沢は狂気に満ちた幻覚や計画を開陳し、自らの命を絶つ前に6人の若く、美しい処女を解体し、それぞれの一部を組み合わせて完璧な女性の肉体を創造しようと目論む。しかし、凶行に及ぶ前に、梅沢自身が何者かに殺害されてしまう。その死後1カ月、彼の血縁の若い女性6人が相次いで失踪し、遺体の一部を持ち去られた状態で発見されるという、奇怪な連続殺人が起きる。占星術師でもある探偵の御手洗潔が、占星術の概念や記号が交錯する謎めいた事件に立ち向かう。


正直ビギナーには中盤の展開はタルいと思われるが、最後の解決編・トリックはすんげぇ衝撃的だった。間違ってもパラ読みしないように(図解説明があるから)。

ただこれも有名な話ですが、「金田一少年の事件簿」にてこれのメイントリックが丸々パクられて問題になったことがあるので、「金田一」読んでるならやめといたほうがいいかな、と。

その場合はもう1冊のバイブル、「占星術〜」が旧約聖書ならこっちは新約聖書と言われる綾辻行人の「十角館の殺人」でも読んでくらはい。
西尾 維新 講談社 2004/07/17 ¥924

同時げとは

「暗黒館の殺人」綾辻行人
「ZOKU」森博嗣
「冷たい校舎の時は止まる(上)(中)」辻村深月
「キマイラの新しい城」殊能将之
「Q.E.D. 鎌倉の闇」高田崇士

趣向わっかりやすぃ。
 
 
 
*タイトルでヒくと思われますが、いつもの維新タンのノリで進むので大丈夫。ちょっと導入部で語り手のキャラに引っかかりというかとっかかり無いんですが読んでりゃ慣れます。

内容は「魔法使い」使いの主人公の少年と、魔法使いの少女・りすかが悪い魔法使いを倒しつつ行方不明の大魔法使いなりすかの父親を探すという。合間に講談社ノベルズらしく、というか申し訳程度にミステリのエッセンスを少々。

なんか読んでたらともちーに「キショ」呼ばわりされちったぃ。
ISBN:4061823922 新書 森 博嗣 講談社 2004/09/10 ¥861

「莫迦」と表記するのが新井素子読者の特徴である(?)ように、その人の文章・単語の表記である程度読書や音楽傾向が読めたりする。

例えばやけに改行や句読点が少ない文を書く人は舞城王太郎読者だし(ただの悪文という説は無視)やたら述語を先に持ってきて主語目的語を後から言うのはトミノ信者。あるミュージシャンのファンは「歌」→「唄」、「涙」→「泪」と表記する傾向にある。

で森博嗣読者の場合「カタカナ語に長音記号をつけない」という傾向が伺える。

例を挙げるなら「ライブラリー」→「ライブラリ」とか「プレイヤー」→「プレイヤ」、「ブースター」→「ブースタ」など。どうしてもそれだと不自然な場合は拗音で表記する。「ギター」→「ギタァ」、「サッカー」→「サッカァ」等。

もっともこれは森博嗣の影響じゃなくて理系人間に特有の表記だそうで、氷川透のミステリにそれを使用したトリック(というかトリック見破り)があったりするが、まぁここでは森読者特有ということにしておこう、うん。

*で今回の新刊。

どうにもミステリとしては喰い足りないが、キャラ小説としては...でもまだVシリーズのアレのような伏線も見えてこないし、中途半端に思えた。

てか、犀川先生は電話でのみの出演なのね...
早川書房 1987/04 ¥525

掲示板やBLOGで「馬鹿」を「莫迦」と表記する人をときどき見かける。

どちらも正しいのだが、「莫迦」のほうが古く「馬鹿」は当て字らしい
http://homepage2.nifty.com/osiete/s375.htm)。

んで「莫迦」という表記を好む人はなぜそうなのか?を推測するだに「へへーん俺ってばこんなマニアックな事知ってるぜ?」だったり「なんとなく格好いいから...」というのも何割かはいるだろう。

だがやっぱりほとんどは「新井素子の小説でそう表記されてるから」なんじゃないかと思われる。はてなの辞書にもそう書いてあるし(ttp://d.hatena.ne.jp/keyword/%C7%FC%B2%E0)

と・いうわけで高校時代の自分も「莫迦」と表記したクチだったなぁ、と懐かしみつつ「...絶句」再読。おもれぇわぁ。
ISBN:4061821725 新書 舞城 王太郎 講談社 2001/03 ¥1,050

芥川賞候補になった最新作「好き好き大好き超愛してる」をメルバネフ氏に貸してもらったので、そのお礼というかお返しにコレ貸すことに。

「好き好き〜」のほうは申し訳ないけど正直「...」であんまおもろくなかったんですが、デビュー作のこっちは自分の読書嗜好を加味しないでも傑作。勢いが違う。久々にちょっと読み返したけどやっぱおもろい。

メフィスト賞作だけに純粋にミステリかというとそうでもなくて、むしろそういうミステリ的な手法とか方法論を茶化したような感じもあるけど、最近の純文学方向への擦り寄りを見ると最初からそういう気マンマンだったんだなー、と。
ISBN:4061823701 新書 篠田 真由美 講談社 2004/05/11 ¥924

ココ読む人で新本格ミステリマニヤな人も、ましてや建築探偵桜井京介シリーズを好き好んで読む人も少ないだろうけど。

手短に説明するとシリーズの番外編で、"蒼"(薬師寺香澄)のお話。毎度毎度「"蒼"が年齢に比して幼すぎる」と読者に言われ今巻ではあとがきで作者自らが言及するに至ってますが、自分は特に"蒼"が幼いとは思ってなかったり。それはとりもなおさず、自分が年齢に比して精神が大人に成り切っていない顕れでもあるんですが。

ともかく、エピローグの"蒼"が翳に過去の事件のことを告白してからハグするまでの一連の流れは予定調和的だったとはいえジンと来るもんがある。多分作者はここらのシチュを書きたくてこの話をデッキあげたんだろうなーって位。

しかし、111Pのアレとか282Pとかはいかにもソッチ向けで小っ恥ずかしい。嫌いじゃないけどさー。

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