御手洗潔対シャーロック・ホームズ
シャーロック・ホームズは“現在”によみがえり、かの地で御手洗潔とあいまみえた。御手洗と石岡の目前で咆吼と巨大な足跡を残していった巨人、ホームズとワトスンのいる二階の窓から覗いていた巨人、そして屋根の上に載せられていた死体…。不可解で巨大な謎が押し寄せるなか、御手洗とホームズの“推理対決”の先に見えた真相とは―。対決編「巨人幻想」250枚のほか、御手洗とホームズが活躍する各2編を収録。本格ミステリ界の“魔術師”柄刀一が贈る壮大なパスティーシュ作品集。


島田荘司でもコナン・ドイルでもない柄刀一によるパスティーシュ。
ホームズ編の2本を読んだ段階では「自分をホームズだと思い込んでいるあたまのおかしいひと」オチなのかと危惧していたし、ラストの対決編でも途中まで時系列が違う叙述トリックかなんかだと疑っていた(ミステリマニアは疑り深い)が、結局はSFだかファンタジーオチだった。そういうのもアリなのか。

そして巻末の、島田荘司による解説(という名のSS)がいっちゃんおもろい。

死物語(下)

2021年11月25日 読書
死物語(下)
“おやすみなさい。いい夜と、いい夢を”

専門家の見習いとして、
斧乃木余接、貝木泥舟と共に西表島へ向かう千石撫子。
敵は蛇遣い・洗人迂路子――すべての元凶にして、臥煙伊豆湖の実の娘である。
撫子が挑む“死闘”の結末は――?
これぞ現代の怪異 怪異 怪異!

ありがとう。また遭う日までが、青春だ。


完結と銘打ってるし次回予告無かったけどぜってぇまだまだ続くだろ、物語シリーズ...
一応は最後を飾る物語だというのに撫子の無人島サバイバルで半分ぐらい費やすという平常運転だった。

「神様の名前を冠した漫画賞」って手塚賞のことかな...

死物語(上)

2021年11月21日 読書
死物語(上)
“儂が見るうぬの有様は、いつでも死に様ばかりじゃ”

デストピア・ヴィルトゥオーゾ・スーサイドマスターに会うため、
故国『アセロラ王国(仮)』を目指す忍野忍と阿良々木暦。
人間社会が異常事態に陥った中、
怪異にのみ感染するウイルスが吸血鬼を死に至らしめていて――?
これぞ現代の怪異 怪異 怪異!

青春は、きみの隣で生きてこそ。


りすか4巻に続いて、物語シリーズでもコロナを話に絡ませてきた。けどこのシリーズは社会人になった阿良々木のエピソードも既にあるんで矛盾が生じてしまうんじゃないかとか。まぁライブ感でなんとかするのか。

レゾンデートル

2021年11月17日 読書
レゾンデートル
末期癌を宣告された医師・岬雄貴は、酒浸りの日々を送っていた。ある日、不良から暴行を受けた岬は、復讐を果たすが、現場には一枚のトランプが―。そのカードは、連続殺人鬼「切り裂きジャック」のものと同じだった。その後、ジャックと岬の奇妙な関係が始まり…。最注目作家、幻のデビュー作!


最後の解説が本作を「学校に進入したテロリストを一人でやっつける系妄想」とブッタぎってしまっているのが笑えた。いやまぁ確かにそうなんだけど言い方...

祈りのカルテ

2021年11月14日 読書
祈りのカルテ
諏訪野良太は、純正会医科大学附属病院の研修医。初期臨床研修中で、内科、外科、小児科、産婦人科など、様々な科を回っている。ある夜、睡眠薬を大量にのんだ女性が救急搬送されてきた。その腕には、別れた夫の名前が火傷で刻まれていた。離婚して以来、睡眠薬の過剰摂取を繰り返しているという。しかし良太は、女性の態度に違和感を覚える。彼女はなぜ、毎月5日に退院できるよう入院するのか…。(「彼女が瞳を閉じる理由」)初期の胃がんの内視鏡手術を拒否する老人、循環器内科に入院中の我が侭な女優…。驚くほど個性に満ちた患者たちとその心の謎を、新米医師、良太はどう解き明かすのか。ふと気づけば泣いていた。連作医療ミステリ。


先に読んだ「ブラッドライン」の主人公の親友のお話、ということでその主人公や父親がゲスト出演したりする。

「神酒クリニック~」に比べると地に足が着いた作風で、こういうのでいいんだよ的な安心感がある。やっぱ奇抜すぎるのもアカンて。
神酒クリニックで乾杯を 淡雪の記憶
顧客はVIP、けれど窮地にある人には手を差し伸べるのが信条の会員制医院「神酒クリニック」。ある日顧客から、意識のない女性の診察依頼が。全身ずぶ濡れの彼女はなんと記憶喪失。けれど突然「爆弾が爆発する」と呟き…。天才的な洞察力で人の心を見抜く精神科医の天久翼は、彼女・美鈴の記憶を取り戻すことに。彼女と、相次ぐビル爆破との関係は。そして翼の遅すぎる初恋は…。痛快すぎる医師達のノンストップエンタメ!


なんかもう慣れたがやっぱりキャラ設定がないわーレベル。
そしてどうやら2016年に2巻(コレ)が出て以降エタってる模様。

この人の作品は(1冊目に読んだような)シリアス系のが面白いような予感がする。
神酒クリニックで乾杯を
医療事故で働き場所を失ってしまった外科医の九十九勝己は、知人の勧めで「神酒クリニック」で働くことに。
そこでは院長の神酒章一郎を初め、腕は立つが曲者の医師達が、世間に知られることなくVIPの治療を行っていた。
彼らに振り回されつつも、新しい職場に慣れていく勝己。しかし神酒クリニックには彼が知らない裏の顔が。
秘密のクリニックで勝己が請け負う「仕事」とは!?
個性派過ぎる医師達が贈る、メディカル・エンタメミステリ、ここに開幕!!


ブラッドラインがドシリアスな医療ミステリだったんで続けて読んでみたが、180度違うエンタメに振り切った内容で面食らった。作者芸風広いのー。

人物設定が昨今ラノベでもやんねーような特殊能力てんこもりだったのでミステリ読みとしてはうーんだったが、無双系エンタメラノベとして読めば、まぁ...

ドラマ原作には向いてそうだよなーと思ったら2019年にドラマになってたわ。
ボーンヤードは語らない
U国A州の空軍基地にある『飛行機の墓場(ボーンヤード)』で、兵士の変死体が発見された。謎めいた死の状況、浮かび上がる軍用機部品の横流し疑惑。ジョン少佐は、士官候補生時代のある後悔の念から、フラッグスタッフ署の刑事・マリアと漣へ非公式に事件解決への協力を依頼する。マリアたちは快諾するが、その陰には、ふたりの抱えるそれぞれの過去――若き日に対峙した事件への、苦い後悔があった。高校生の漣が遭遇した、雪密室の殺人。少女時代のマリアが挑んだ、ハイスクールの生徒たちを襲った悲劇。そして、過去の後悔から刑事となったマリアと漣がバディを組んだ、"始まりの事件"とは? 大人気シリーズ第4弾は、主要キャラクターたちの過去を描いた初の短編集!


ジェリーフィッシュ読んだときはあんまりキャラ印象に残らなかったんでまさかシリーズもんの主人公キャラになるとは思っても見なかった漣とマリア。こうして短編集という形で過去が語られることでようやくキャラが深くなった感が。

A国が舞台の話が多いので人種間問題が重要な下敷きになっているが、そういえばグラスバード事件が起こるぐらいだからこの世界のA国はアレなんだなーと改めて思った。

ブラッドライン

2021年11月1日 読書
ブラッドライン
この医学ミステリーはすごい! オペ中の異常な死から「血の連鎖」が始まった! 止まらない鮮血、鳴り響くアラーム、飛び交う怒号。手術室は悪夢の戦場と化した! 腹腔鏡手術を受けていた准教授がありえない死を遂げた。教授選をめぐる疑惑、連続するドクターの怪死、異様な血液の謎。「missキシ」「1/2ダンス」の言葉は何を暗示するのか。若き外科医がたどり着いた慟哭の完全犯罪とは。圧巻の四百頁!


お医者さんにしてミステリ作家である知念実希人の初期の作品。
ぜんぜん知らない人だったけど、フォローしてるミステリ作家さんがこの人のコロナに関する知見を度々リツイートしていて、それで作品にも興味を持った次第で。

医療ミステリなのでトリックに専門知識の必要なお薬とか病気とかを持ってこられても「フーン」になってしまいがちだが、この作品はそれだけではなくちゃんと本格風味のロジックもあってしっかりしていた。妹周りのドラマは横道かなーと思わせておいて、ちゃんと動機にも繋がっていたし。

沈黙のパレード

2021年10月28日 読書
沈黙のパレード
静岡のゴミ屋敷の焼け跡から、3年前に東京で失踪した若い女性の遺体が見つかった。逮捕されたのは、23年前の少女殺害事件で草薙が逮捕し、無罪となった男。だが今回も証拠不十分で釈放されてしまう。町のパレード当日、その男が殺された――

容疑者は女性を愛した普通の人々。彼らの“沈黙”に、天才物理学者・湯川が挑む!

ガリレオvs.善良な市民たち


容疑者Xで懲りてるならもう容疑者突っつくのやめたげてよガリレオ先生...と思わなくもなかった終盤。どんでん返し無くてもよかったかなぁと思う反面、どう考えても娘っ子殺したのは蓮沼じゃない書き方だしなぁ...なんで当然の帰結か。
新たな組織『FAIR』の登場で、レリックを巡る争いが激化する!

メイジアン・カンパニーのメンバーは魔工院の設立準備を進めていた。達也は十師族の一員である八代家の隆雷に、学院長就任の打診をする。魔法資質保持者の人権自衛という目的のために、着実に行動していた。
そんな中、加工途中のレリックを狙った魔法師犯罪が勃発。その背後には人造レリック盗難事件の犯人が属していたUSNAの魔法至上主義過激派組織『FAIR』の影が……。達也はこれに対抗するために同じくUSNAの魔法団体『FEHR』との接触を試みる。
三つの組織が交わることでレリックを巡る争いが激化する――。


表紙誰かと思ったら七草先輩かー(アニメより目つきが悪い)
メイジアン1巻からの新キャラとフラグ立ててしまったが、そのカップリングはあんまり見たくないなぁ...

創約 とある魔術の禁書目録(4)
母と娘の絆を取り戻すため、上条は極寒のロスをただ、走る!!

あががが……寒すぎて死んじゃうぞ、ちくしょう!
病院のベッドからどうにか抜け出した上条当麻が降り立ったのは、温暖なはずが極寒となったロサンゼルス!? ……しかも全人口消失という異様な状況で……!?
アンナ率いるR&Cオカルティクスが引き起こしたこの異常事態下で、上条とインデックスは共に事件解決に挑んでいく。
強襲する敵の魔術師を躱した先に出会ったのは、たった唯一の生存者である銀髪褐色の幼い少女、そしてその母親の『痕跡』だった――。
母と娘の想いを上条が受け継ぐとき、その『暗闇』は打ち破られる!!


わりと初期メンが揃ってちょっぴり嬉しくなったが、神裂は早々に退場しちゃうしインデックスは結局連れてきた意味あるんか?レベルだった。ステイルや妹達が見せ場もらえたからいいけど。

前巻が前巻だっただけに「あーこれ信じて裏切られる胸糞展開かな...」と身構えたが、主人公が浜面じゃなく当麻だったおかげで王道展開してくれて一安心。
創約 とある魔術の禁書目録(3)
『暗部』と『警備員』の殺し合い。黒子は学園都市の闇に足を踏み入れる!

愛しのお姉様・御坂美琴と二人っきりで過ごす魅惑のクリスマスが、ついにこの手に……! と期待していた白井黒子だったが、気づけばなぜか彼女の隣には頭髪バーコードでメガネ装備の『警備員』のおじさんが……!?
聖なる夜、『風紀委員』の黒子に課されたのはオペレーションネーム・ハンドカフス、学園都市の『暗部』を全て潰す計画だった。そのリストの中には、浜面仕上や滝壺理后の名も含まれており……。追う者と追われる者、双方が生き残るために否応なく激突する中、ふとどちらもが感じた。……この計画は、何かが妙だと。
事態打破の鍵となるのは『学園都市最大の禁忌』という謎のフレーズで――!


また大量にキャラが生産されたけども、ほぼ今回で死亡したのは小気味良かった(サイコ)
アンチスキル大量に死んで、学園都市の教育はどーなんのよと心配になるがそもそも教師が警備員兼ねる意味がわからんしオーバーワークじゃろじゃろ...といまさら設定に突っ込みたくなる。
湯川が殺人を?「自業自得だ。教え子に正しく科学を教えてやれなかったことに対する罰だ」。ガリレオシリーズ初の完全書き下ろし。


レールガン!レールガンってあのレールガンだよな!そりゃこーこーせーなら作ってみたくなりますわよ!

というお話

虚像の道化師

2021年10月2日 読書
虚像の道化師
指一本触れずに転落死させる術、他人には聴こえない囁き、女優が仕組んだ罠…刑事はさらに不可解な謎を抱え、あの研究室のドアを叩く。


湯川さんついに犯罪者見逃すようなことしでかすレベルになっちゃったのね(殺人は犯してないけど)

真夏の方程式

2021年9月29日 読書
真夏の方程式
夏休みを玻璃ヶ浦にある伯母一家経営の旅館で過ごすことになった少年・恭平。一方、仕事で訪れた湯川も、その宿に宿泊することになった。翌朝、もう1人の宿泊客が死体で見つかった。その客は元刑事で、かつて玻璃ヶ浦に縁のある男を逮捕したことがあったという。これは事故か、殺人か。湯川が気づいてしまった真相とは―。


ずぅっと前にTVで映画版を見ていたのでおおまかには覚えていたが、真犯人とかはスッポリ忘れていたのでわりと新鮮に読めた。

子供嫌いのはずの湯川先生がなんでこんなに子供に構うの?と最初は疑問に思ったが原作版だといくつかの事件を通して先生の人間性が微妙に変わっていった描写があるんで、その一環と考えるとおかしくはないかな。

自然環境保護派と開発側双方を腐すクレバーさと、少年に科学のなんたるかを論理的に諭す湯川先生の人間性が魅力的。

聖女の救済

2021年9月23日 読書
聖女の救済
資産家の男が自宅で毒殺された。毒物混入方法は不明、男から一方的に離婚を切り出されていた妻には鉄壁のアリバイがあった。難航する捜査のさなか、草薙刑事が美貌の妻に魅かれていることを察した内海刑事は、独断でガリレオこと湯川学に協力を依頼するが…。驚愕のトリックで世界を揺るがせた、東野ミステリー屈指の傑作。


犯人はだいたいわかってる状態で話が進むので焦点は「いかにしてコーヒーに毒を盛ったのか?」に絞られるのだが、それだけで長編一本もたせてしまう筆力はすごいなと思った。
そしてそのトリックも湯川が「虚数解」と評するほど”理論的には可能だが現実的ではない”もので、久々にエキサイティングなトリックに出会った気がした。

ガリレオの苦悩

2021年9月19日 読書
ガリレオの苦悩
“悪魔の手”と名のる人物から、警視庁に送りつけられた怪文書。そこには、連続殺人の犯行予告と、帝都大学准教授・湯川学を名指して挑発する文面が記されていた。湯川を標的とする犯人の狙いは何か?常識を超えた恐るべき殺人方法とは?邪悪な犯罪者と天才物理学者の対決を圧倒的スケールで描く、大人気シリーズ第四弾。


「動機はどうでもいい」系の人だった湯川先生が、そういいつつもなんだかんだ犯人の心情を考察しだしてるという変化が見れる4作目。多分前作(容疑者Xの献身)の犯人が影響してる。

ストーリーとしては2本目が珠玉で、恩師がらみとはいえその真の犯行動機を推理してラストに繋げるあたりはさすが東野氏だった。
透明人間は密室に潜む
透明人間による不可能犯罪計画。裁判員裁判×アイドルオタクの法廷ミステリ。録音された犯行現場の謎。クルーズ船内、イベントが進行する中での拉致監禁──。絢爛多彩、高密度。注目の新鋭が贈る、本格ミステリの魅力と可能性に肉薄する4編。


着想とかロジックは素晴らしく読んでて楽しかったが、犯人の計画がちとガバいのが気になった。具体的には1話目の透明人間と、4話目の狂言誘拐の身代金受け取り方法とか。
新・魔法科高校の劣等生 キグナスの乙女たち
魔法、青春、そして恋! 魔法科高校に、新世代の風が吹き抜ける!

伝説の魔法師・司波達也とその妹・深雪が卒業して一年。魔法科高校に二人の少女が入学する。
十文字アリサと遠上茉莉花。
幼少から本当の姉妹のように育てられてきたが、「とある」事情で二年前からアリサは魔法師の名家、十文字家に預けられていた。彼女たちは、第一高校に入学したことで久しぶりの再会を果たす。
無邪気で無防備なアリサと茉莉花。
魔法の勉強、部活、友情、青春、そして恋――たくさんのドキドキワクワクに胸踊らせながら、二人の魔法科高校での生活が幕を開ける!


兄妹の次は百合で売っていくのか...あんまり魅かれないんだよなぁ...

あとがきでも言及されてたけどわれわれの世代は「キグナス=氷河」なので、そこからヒロインがロシアとのハーフで金髪碧眼になったんかなー(あんいー)

本編はそんなに...だけど端々からお兄様の影を感じるのが気持ちいいので読み続けよう...

1 2 3 4 5 6 7 8 >

 

お気に入り日記の更新

この日記について

日記内を検索